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こんにちは、医療法人 健口会 理事長 服部です。今回は改めてエアフローについて解説します。エアフローとは、パウダーとエアーと水を混合したものを綺麗にしたい部分に吹き付け、こびりついたプラークやバイオフィルムを従来の半分の時間で効率的に痛みなく除去できる機械のことです。航空機の誘導灯の洗浄にもエアーとドライアイスパウダーを吹き付ける同じような技術が採用されています。GBT(図)とは、歯周治療のプロトコル(治療法)のことで、染め出し、一緒に染め出した状況を確認し、バイオフィルムの除去にエアフローを使用する、、、残った歯石はピエゾンではじくだけで、SRPやPMTCはしないといった治療法のことです。一宮苅安賀歯科こども歯科はEMS社のGuided Biofilm Therapy(GBT)の認定医院です。一宮市には150歯科医院があると言われていますが、GBT歯科医院はまだ2院しかないようです。https://www.switchtogbt.com/ja/map/gbt-map(2023年9月)従来行っていたPTCをしないというのが、海外の主流であります。日本では、患者さんには研磨剤が入っている歯磨き粉を使うなという歯科衛生士がいますが、歯科衛生士が使うPTCペーストはものすごい研磨剤が添加されています。歯ブラシでバイオフィルムが取れないと言って回転ブラシ、、、矛盾していますね。ちなみにペリオフローにヘッドを変えることで、歯周ポケット内のバイオフィルム除去にも効果があります。当院のエアフローの機種は、スイスEMS社のプロフィラキシスマスター1台とエアフローワン3台600万円+特殊なエアー配管が必要になります。なので、最初にコメントした時は1台で、どんどん投資して増やしております。従来のインスルメントでも、歯石や汚れを回転ブラシやキュレットでこすり擦り取ったり(PMTC SRPと言ったりします)してある程度の着色や細菌を除去することは可能です、しかし、、、電子顕微鏡でエナメル質表面を確認すると、洗車傷のようになって、エナメル質が相当傷ついています。当然、薄いセメント質も剥がれて、歯根は象牙質が露出し、歯周病細菌の毒素が浸透してしまいます。一方、プラスパウダー14μ+エアフローでは、エナメル質に全く傷がなく、従来のインスルメントが入らないエナメル小柱の中に入り込んだ細菌までもが取り除けています(写真)。歯周治療では、マイクロバイアルシフトを起こさせない、セメント質を触らない(従来の考えにはない)が大切で、バイオフィルムをいかに歯面から取り除き、グラム陰性菌の歯周病菌を低いレベルにしておくことが最重要となります。EMS社の新型のエアフローは高速、効率的かつ痛みのないお口のメインテナンスであり、患者さまにとりましても継続したいメインテナンスとなるため、加えて歯科衛生士の技術向上の目的でインプラントを含む全症例に使用できます。
 (※)エアフローで綺麗になるのは、外来性のタバコのヤニやワインのステインです。ポリリン酸ナトリウムのような汚れを浮かすサロンのホイトニングであるとも言えます。しかし、エアフロー は歯本来の色自体は白くできません。歯の色を白くしたい場合は、過酸化水素(商品名オパールエッセンス30%)が象牙質まで入り込む歯科医院での専門的なホワイトニングが必要です。一宮でホワイトニングといったらというくらい症例数もございます。次回ホワイトニングについて記載していきたいと思います。